The diary
不定期ですが、樂FACTORYのメンバーが日々の制作現場の中で考えたこと、出会ったことなどを書き込んで行きます。

2004年12月某日きょうの料理大賞
いやぁ、めちゃくちゃ忙しいですねぇ。
師走ってのはただでさえ慌しい雰囲気になるんですが、実際とっても忙しいです。
こないだ「きょうの料理大賞」の全国大会が終りまして、やっと一山越えたところなんですが、次の一山が目の前に来ています。まったく綱渡りですわ。非常に危ない状況ですわ。一歩踏み外すと真っ逆さまですよ。
もうちょっと落ち着いたらきちんと書きますけど、料理大賞の出演者は素晴らしい人たちが揃いましたよ。声を大にして言いたい。関わる人たちの力を充分に発揮していくことが成功の近道ですね。実感しました。全員の力を発揮できたならば、いいものにならないはずがないということなんです。


2004年11月某日ペコちゃん
ペコちゃんという芸人さんをご存知でしょうか?その昔漫才ブームの頃、ペコちゃんポコちゃんという女性漫才師がおりました。そのうちの1人、やたら背の高い方がペコちゃんといって定期的にライブを公演しているんです。
実は私、もう10年以上も前からペコちゃんにお世話になっておりまして、というのも子供番組でいろんなところへ行って色んなことをしてきた仲なんですね。あ、いや、と言うよりも番組の作り方を色々と教えてもらったというのが実状です。だから今だに頭が上がりませんねぇ。
もうだいぶ前から1人コントのライブをやっていますが、これホントに面白いですよ。女性の一人コントがちょっとしたブームみたいに言われていますが、まさにその元祖といえるものなんです。本人に言ったら怒られるかもしれませんが、益々円熟味を増したライブを見逃す手はありませんよ。


2004年10月某日スタジオより
現場の日記と謳っておきながら、今まで撮影現場のことを書かなかったのは手落ちですねぇ。ということで「趣味の園芸」のスタジオ収録のことを書きましょう。
ダリアとシャコバサボテンを紹介した回は雰囲気が非常にいいですよ。これは、どんな番組にも言えることなんですが、出演者がノってる番組はいい番組です。テレビ好きの皆さんは、出演者がノってないことがあるのか?と疑問に思う部分もあるでしょうが、これがあるんです。特にレギュラー番組で、毎回同じようなことが繰り返されるモノについては結構ありがちなことなんです。
そこで、僕ら制作者は手を変え品を変えで出演者が驚くようなことや楽しめることを画策して収録に臨みます。それがハマった時は凄く嬉しいし、番組にも影響すると思います。何でも楽しく出来るに越したことはないでしょう。内容もさることながらその楽しさがテレビを視る方々に伝われば、こんなに嬉しいことはないですね。
そんなこんなで今回の「趣味の園芸」はとっても楽しい番組になったと思っているんです。


2004年10月某日大阪
仕事で大阪のNHKに行ってきました。写真は、NHKから隣に見える大阪城です。こんな角度から城を見下ろしちゃっていいんでしょうか?ミニチュアみたいに見えます。大阪はなんでもアリなんですね。


2004年10月某日天気
今年は次々と台風がやってきて、息つく間もないようなことになってますね。僕らの仕事は頭脳労働だと思われていますが、アウトドアでのサバイバル的な要素は意外と多くて文字通りの現場仕事の様相を呈しているのです。
外で仕事をする人は天気に敏感です。たぶんにもれず我々も天気に敏感で、ロケの時の天気については異常な程気にしますねぇ。
ロケの時に雨が降ったりすると、気合が足りないんだとか、運が悪いだとか言われてしまう訳です。中には、その人が同行すると必ず雨が降るという、いわゆる雨男とか雨女と言われている人たちまでおりまして。こういう人たちは本当に冗談抜きでここぞというロケの時には連れて行かなかったりもするんです。だからでしょうねぇ、一度でもあいつは雨男だとか雨女だとかいう噂がたつと致命傷にもなりかねないものですから、ほとんどのスタッフは自分は絶対に雨男でも雨女でもないと必死に訴えます。
ただし、ホントに雨女っているもので、天気予報では曇りの予報すら出ていなかったのに、その人が来たとたんに嵐のようになったなんていう嘘のようなホントの話を実際に体験しました。現代のオカルトですな。


2004年10月某日高松
高松で撮影があり、日帰りしてきました。
実際こういうことはよくあることで、だいたい全国どこでも日帰りで仕事ができないなんてところはないんじゃないかな?
沖縄だって、これは僕の話ではないけど、日帰りでお使いを頼んだことがあったしね。
外国でも韓国くらいなら日帰りできそうだね。
こんな具合で、僕らは結構な密度であらゆるところへ行ってますねぇ。だいたい日本の全県に二回以上は行ってますし、主要都市ならやはり10回近くは行ってるんじゃないでしょうか。
しかし、残念ながら仕事で行くと、当然ながら観光をしている暇はなく、意外と誰もが知っている観光地などはまったく知らなかったりするんです。
あ、今回久しぶりの高松でしたが、駅近辺が見違えましたねぇ。でも僕は昔の駅舎が好きだったですね。情緒が失われてしまったと感じました。


2004年10月某日番組改編
またまたこの時期がやって参りました。何って、番組改編ですよ。テレビの業界では、一年を四つに分けて、その中でも特に4月と10月は大きな改編時期となっております。
その時期どうなるのかというと、新しい番組が始まったりもう既にある番組もパワーアップしたりするんです。それでも大体の番組がそんなにすんなりと良くなる訳でなく、ここからしばらくどんな風に変わっていくかを視るのも一興ですね。
売れてる会社はこの時期大忙しになるんですね。でもこの時期忙しいからといっていいスタッフだとは限りませんよ。新番組を見渡してみても、優秀なスタッフがやってるなぁ、と思える番組は少ないですからね。
たまたまTBSの深夜でフットボールアワーとドランクドラゴンがメインで始めた番組を視ました。面白かったですよ。なかなか。でも、それはその二組の面白さであって、番組の面白さではないんですね。どちらのコンビも、最近には珍しく顔を見ただけで笑えるんでちょっと気になる存在だったんですよ。しかし、せっかくの素材を活かしてないですねぇ。TBSってそういうの下手ですよねぇ。だいぶ昔ですけど、僕もTBSのバラエティ番組のスタッフだったことがあるのであまり言えないんですけどね。
番組を視ればその番組のディレクターのレベルがだいたいわかります。残念ながらフットボールアワーもドランクドラゴンもせっかくの看板番組だったのに、スタッフに関しては運がなかったんだと思わざるを得ませんでしたねぇ。


2004年10月某日イチロー
イチローが記録を作りましたね。この日、福岡にいまして、西日本新聞の号外で知りました。
報道もトップはみんなイチロー尽くしでしたね。一番印象的だったのは、記者が次は四割を狙う?と質問したときに「基本的には野球が好きでしょうがないという気持ちで打席に立っている。打率というのはコントロールできるもので、それを狙うと打席に立ちたくないという気持ちが出てきてしまう。それは本意ではないので、四割を狙おうという気持ちはない。」と答えていました。
“基本的に好きでやっている”という、自分の心に純粋でいようとする姿勢に非常に深く共感を覚えました。これこそ一流の選手と呼ばれる人の特徴であり、証拠でもあると思えるんです。
好きでこの仕事に就いているという人には言い訳はしないという決意みたいなものが見られますね。そして、その純粋な心を消してしまうようなことに凄く敏感で、始めた頃の気持ちをどこまでも忘れない強い思いが感じられました。とっても爽やかな気分にさせてくれるニュースでしたねぇ。


2004年9月某日格闘技
ボクシングを観てきました。
元々、格闘技は好きでして。思い出せば中学生の頃、近所にプロレスが来れば必ず観に行ってましたねぇ。その頃からなんとなく「なんかテレビで視るのと、生で実際のものを観るのとでは違うなぁ」なんて感じていましたねぇ。
そういえば数年前、格闘技専門チャンネルの“サムライチャンネル”というところで仕事をしていたことがありまして、当然仕事なんですが、毎晩のように格闘技の興行に取材に行くんです。女子プロレスの地方巡業に付いていった事もありますよ。
プロレスはショーとしての出来は素晴らしく、テレビも参考にすべき点がたくさんありますね。テレビを視ている人たちは画面を通して間接的に視る訳です。僕らのようなテレビの人間は実際に観るんですよね。そこのギャップは常に意識はしているんですけれども、やっぱり本物に触れるというのが体験として蓄積されていくんだなぁ、と実感しています。


2004年9月某日会議でいそうなタイプA
「ああ、そうか、なるほど」族 実は、これは僕です。 いまの仕事は、かなり独創的なアイデアを要求されるので、
担当が近づくたびに会議へ向けて妄想とも言える提案を用意します。
でも明らかにプロデューサーのほうが上を行っている。その度に力無く漏らすのがこの言葉です。
ただ、簡単に口にできるような言葉ではないんです。認めて納得した発言ですから。
人によっては単なる相づちかもしれませんけど、僕はこれを言ったら実行しなきゃ気が済まない。
おかげで無茶なアイデアでも、腹を括って取り組むチャンスを貰えました。
とにかくは「ああ、そうか、なるほど」の回数を減らすように、発想の努力をするのみです。


2004年9月某日テレビ的
「にっかん飛切落語会」それから、「浅草演芸ホール」とここ数日の間で寄席通いが板についてしまった感がありまして。「にっかん〜」では橘家圓蔵師、立川志の輔師、「浅草〜」ではのいるこいる、三遊亭圓丈師(前は円丈って書いてたような気がするけど)と、いや〜まったく濃い日々を送っているのです。
ところで、落語の魅力って何なの?と問われると、いつも困ってしまう僕なんですが、説明になってないなと思いつつ「ゆるいところ」かなぁ?なんて思ったりしてます。
で、この“ゆるさ”ってのはあまりテレビに向いてないもののような気がするんですね。だから、テレビでやる落語ってのは面白くないんでしょうなぁ、と思います。
そう言えば、上に書いた四組はいずれも大爆笑の高座であり、舞台であるんですが、特に大笑いが止まらない!って感じなのが志の輔さんです。でもですね、ちょっと思ったのがこれはテレビでいける高座だなぁってことなんです。そこにどういう違いがあるんでしょう?やはり、志の輔さんがテレビに出慣れていることと関係あるんですかねぇ。当然のことながら、どっちが良くてどっちが悪いってことを言ってるんじゃありませんよ。
そういうことを考えていると、つくづくテレビって何を伝えたいモノなんだろうかなぁ?って物思いにふける秋の入り口ってところです。


2004年9月某日会議によくいるタイプ
最近、打合せ続きであんまり外に出ていません。これは本当に外に出ていないという意味ではなくて、ロケなどの外でやる仕事をしていないと言う意味です。
そんな私の状況はどうでもいいとして、せっかくですから新コーナーを立ち上げましょう。
「会議によくいる人種」シリーズ、その1。「そうそう」族。
この人種は、全体の形勢を見て、タイミングを見計らい「そうそう、そうなんですよ。僕もそう思ってました」と発言します。
僕らみたいな人たちはテレビ局などから制作を請け負っている、いわゆる下請け業者ですから、仕事を貰うための営業活動ってのも大事なことなんですよ。でも、行き過ぎるとこういったミエミエのよいしょをするようになっちゃうんですね。こういうことで仕事を繋げていく人は意外と多いです。こんなこと書くと敵を増やすかなぁ?
でも、こういう人って自分がそうなってることに気がつかないんですね。ま、気がついていたらあんなにみっともないことできないでしょうね。その前に、そういう人はこの文を読まないでしょうね。
で、この「そうそう族」は“上の人”に大変気に入られます。周りのそういう軽いことができない人たちは、それを見てすごく嫌な気持ちになります。でも、真似しようとしても中々できません。「そうそう族」から見ると馬鹿げたことかも知れませんが、やっぱり納得のいく仕事をして、それを正当に評価されることで仕事を繋げていきたいと考えるからです。
これを読んでいる方々は、そんなヤツいらない!と思われるかもしれませんが、一つの会議があると必ず最低1人は「そうそう族」がいますから、相当な数がいますし、中々いなくならないことでしょう。


2004年9月某日ザッツ・エンターテイメント
企画を仕上げなくちゃいけないんですが、ちょっと仕事のネタに「ザッツ・エンターテイメント」を見始めたら、他のミュージカルも見たくなってしまいました。(明日は頑張りますので・・・)
フレッド・アステアのダンスの裏にある努力とか、思わず驚かされる演出家の発想力とか、古くても良い物は残るという、そんな映像の仕事をしているのが嬉しくなります。まさに「ザッツ・エンターテイメント」!


2004年9月某日school of rock
「スクール・オブ・ロック」のDVDを発売日に早速買ってきて特典なんかも見倒しました。
実は、もう既に5回も観たんですよ。飛行機の中でやってたもんで、二往復行き帰りでずうっと観てて。
傑作ですね。もうしばらくは自分の中で、これを超えるものは出ないんじゃないかなと思ってます。大げさかなぁ?
まあ、少なくともロック好きの人は楽しめますよ。
子供番組をやっていたことがあるので、なおさら感じる部分があるんでしょうね。あれだけ子供たちを生き生きと描いていて、更に主役もきちんと活かしている。脇役もいいですしね。なかなかできることではありませんよ。
色々難しいテーマをいくつもクリアしていて、それを“勢い”でまとめてる感じがとてもいいですねぇ。僕が関わる作品の一つの理想形なのかもしれません。


2004年9月某日無駄
先日、とある番組の企画にと思って、ペーパークラフトの作家さんを取材してきました。その人は現在30代半ばの方なんですけど、若い頃に建築を志していらしたそうです。
いろいろと紆余曲折があり、無駄な時間(と、人は言うのでしょう)を過ごしたりしたそうです。しかしながら、その人のその無駄な時間は、大きな転機となって現在のペーパークラフト作家という道を開いたんだそうです。
最近はテレビを見ていても、周りを見てみても、「容量よく」行う(生きる?)ことが一番!というのが伺えます。無駄な事は省こうという生き方。
でも、いろんな無駄も肥やしになる可能性はあるんでしょうね。上手くは言えないんですけど、実際にその人のペーパークラフトは、ユーモアやアイデアに溢れた「その人」を象徴するようなものばかりでした。
実物を見せて貰って、心が躍らされるものばかりでした。
何にかしらの展開をしたいと思わせるものでしたし、そうする事が、忙しい時間を割いてくれたその方への報いだとも思っています。


2004年9月某日わかりやすく
「春風亭昇太ひとり会」に行ってきました。まあ、昇太さんは文句なく面白いんです。必ず笑わせてくれます。新作は「人生が二度あれば」古典で「壺算」を演りました。
今回は、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」が主催だということで、落語初心者の人向けという企画だったんですが、とにかくお客さんの質がいいというか、とにかく反応が良くて、いつも以上に盛り上がりました。でも、いちいち笑うもんだからためてためてドカンといきたいところが行けなかったりして、まあ善し悪しでしたねぇ。でも大枠OKだったんですよ。
初心者向けだからといって、いちいち優しくしすぎるということがなかったのは良かったですねぇ。そうすると少しバカにしているようになっちゃうかもしれませんしねぇ。テレビもそういうところがあります。明らかに視聴者をバカにしていると思える番組もありますからね。番組を作る時に一番言われることが「わかりやすく」という言葉です。でもそれは“視聴者をバカにする”のと紙一重です。“わかりやすく”することで内容が薄っぺらくなっちゃう場合もあるんじゃないかな?
もう少し、視聴者を信用して深いところまで踏み込むような番組があってもいいんじゃないかとも思いますねぇ。


2004年9月某日産みの苦しみ
映画「アダプテーション」を観ました。ランのプラントハンターの話を中心に、めちゃくちゃとも言える展開をしていくんですが、こういう展開があまり受け入れられなかったらしく、人気は今ひとつだったと聞きました。
しかし、僕は非常に楽しめました。ニコラス・ケイジが扮する脚本家がのたうち回って“本”を作ります。これが尋常じゃなく苦しむんですが、もう、この苦しみ方がホントに気持ちいい。
と言うのも、この苦しみが多少、理解できるんですよ。なんかを産み出す苦しみなんですね。近くに寄ってくるもの全てを傷つけてやろうか、と思うほどピリピリします。ノッてくるとすらすら書けたりするんですが、それを期待しているといつまでも何も出てこなかったりしますしね。世の中には苦しまずに書ける人もいるんでしょうね。
人の苦しみを見てストレスを解消できるものなんだと気づいた次第でございます。


2004年9月某日バイブル「柳生真吾の八ヶ岳だより」
遅くなりましたが本日買いました。
言葉ではうまく表せませんが八ヶ岳、自然の素晴らしさを体で感じながら
生活している柳生さんをうらやましく感じ、その道を選んだ(勇気ある?)行動は
何か私が忘れていた想いを思い出させてくれた様に感じました。
使われている柳生さんの写真が本当にいいです。
最近ぼくも一眼レフデジカメを買ったのであんな写真を撮りたいです。
また柳生さんのイラストはとてもやさしい感じがしました。
さらに柳生さんの園芸に関するバックグラウンドを少しですが知れて
とても良かったと思います。
先日はサンフランシスコに永住したいと思いましたが
今回は八ヶ岳に移住したくなりました。(変わり身が早くてすみません)
ぼくもじっくりワインを飲みながらエゾゼミのふ化を観察したーい!
(僕の場合はエゾゼミだけに日本酒(出来れば高山のいいやつ)とかの方がいいかな?いや日本酒だと観察せずに寝てしまいそう…やはり渋めの赤ワインがいいかな?)
(はみ出し情報:エゾゼミには背中にマクドナルドのMに似た印があります)
とりあえず紅葉がきれいな八ヶ岳倶楽部に行って写真を撮りたいです。


2004年9月某日ラジオ
普段、ラジオをよく聴きます。テレビもよく視るんですが、ラジオも人並み以上に聴いています。
ラジオの面白さっていうのは、まず生っぽさですかねぇ。生放送が多いんですよね。それはラジオならではの機動力が影響しているように思えますね。携帯電話でも中継ができちゃうんですからねぇ。テレビではそうは行きません。生中継ってのは未だに非常に手間のかかる放送形態ではあります。そんなラジオならではの放送を楽しんでるんです。
もう一つラジオの魅力は、やはり音だけの世界だということでしょう。
想像が広がるんです。本来、視覚に頼る部分っていうのを音のみで伝えるんですから、非常に不自由なんですね。しかし、この不自由さがクリエイティブの母になっているんだと思うんです。
テレビ東京で予算が少ないという不自由さから、カメラ目線のリポートが生まれたように、いわゆる“縛り”というものが新しいアイデアを生むことがよくあります。
映像というものが、非常にたくさんの情報を伝えるものなんだと思うと同時に、それが伝えすぎるがために新しいアイデアの芽を摘む結果になってしまっているとも言えるんだなと考えたりしています。


2004年9月某日
ここで紹介されて以来、ワールドダウンタウンを毎週見ています。これはなかなか興味深い番組です。僕が一番興味深いのは「どんなふうに撮ってるの?」という所です。例えば、全員揃ってのリハーサルがあるのか?いや、きっとそれは無いでしょう。明らかに全ての空気が生。上手く言えませんが、見ている方も緊張してしまう感覚を覚えます。じゃあ、あらかじめ声優と外人さんだけで合わせておいて、本番でダウンタウンと対峙する?今のところ僕の中ではこの線が濃厚です。こんなふううに、興味のある番組の企画書をちょっと読んでみたいという事もありますけど、自分の脳ミソで逆に線を辿っていくのも面白いものですね。


2004年9月某日
先日劇団四季のジーザスクライストスーパースターというミュージカルを見ました。
今回見たのはジャポネスクバージョンで役者は歌舞伎メイク、セットは黒バックに白い舞台と5台の大八車の組み合わせで場面を表現する抽象的な物でした。
私はこのセットが見たくて行きまして、今は亡き舞台美術家、金森馨氏のアイディアの斬新さを再び感じることが出来て良かったです。
主役の役者さんは調子が悪かったようで歌がいまいちですが日本ではブーイング等起こるはずも無く満員のお客さんはそこそこ楽しんでいたようです。
いつもは3千円の席でしたが今回は売り切れのため5千円の席にしました。一列しか違わないのですがよく見えました。


2004年9月3日濃厚な時間
「立川談志独演会」に行ってきました。前々から行きたくて行きたくて、やっと行けたって感じです。家元(談志師匠は組織を飛び出し立川流の家元になったのでこう呼ばれる)は事前に内容を決めないで高座に上がるので、その場になって流れの中で噺を決めるというその過程までもが演目になっているようなのが常でして。で、今回は何を演ったかと言いますと。
まずは、講演「笑いと文化」これは笑いなしの真面目な文化論でした。しかし、これがすごい。あらゆる分野のあらゆる事象、言説をひっぱってきては、独自の世界を作り上げていました。
そのまま休憩を挟まずに落語。着替えが間に合わず舞台上で着物を着ながら登場。「権助提灯」を演りました。細かいことはいつかまた。
休憩を挟んで、落語「二人旅」〜「万金丹」。これはもう絶品としか言えない、会場大爆笑、大満足の一席でした。
ライブの凄さを感じました。家元の落語は今までDVDやCDでさんざん聴いてきたんですけど、生は違いますねぇ。これが生の面白さだし、怖さなんだなと思いました。
“生”っていうのは文字通り生きてるってことなんですね。受け手に、あれだけの濃厚な時間を過ごしてもらえたら送り手としては本望だなぁ。と感じました。


2004年8月某日自腹
井筒監督の「こちとら自腹じゃ!」を読みました。「虎ノ門」のコーナーでやってたものを載録したものです。
監督の「ゲロッパ」は割りと好きだったですし、しゃべり口や感覚もなんとなく近いものを感じるので、内容についてはそれほど異論もなく、楽しく読めました。一つ感じたのは、同じく映像作品を作る者として監督は非常に勇気があるなぁ、ということです。僕の場合、映画を観ててもこのカットを撮影するのにエラく苦労しただろうなぁ。とか。ここの持って行き方は工夫してるね。とか、そんなことを考えると、中々冷静に批判もできなくなったりするもんです。ところがそんなこと関係なくばっさりと切っていくところなんか痛快だし、相当立派だなぁと思うんですよ。いやホントに。
自腹だっていうのがいいんでしょうね。この業界では、付き合いなんかもあって、タダで観劇に招待されたりライブなんかも優遇されたりすることがよくあるんですが、そういうのに喜んで行く感覚は見苦しいものがありますねぇ。ま、確かに若くて金のない時期はそういうのが嬉しかったりもするんですけどね。
よく言われることですが、やっぱり身銭を切らないと自分の身にならないということですよ。他人の金で何やったってそんなもの自分の経験とは言えないんですね。他人の金でどれだけ美味いモノ食べたとしても、ホントの美味さはわからないってことです。


2004年8月某日
今やっている番組の次の担当が回ってくるので構成作っているんですけど、もうどうにも煮詰まってしまった。こうなると、自分との我慢比べになるんですけど、やっぱり逃げたくなるんですよね。逃げ方の一つとしては、映画が見たくなるんです。
早速自分に言い訳して、DVD借りてきて見てみました。今夜は劇場で見逃した井筒監督の「ゲロッパ」です。岸辺一徳ファンとしては期待通りに楽しめました。
しかしこのDVDというのは便利なものですね。コメンタリーとかメイキングとか、別に金払ってもいいくらいなのに、よくも惜しげもなく見せてくれるなぁ。物を作るってのは、やっぱり楽しいものなんだなぁとつくづく思い知らされます。
よし!俺も楽しみながら新しい物を考えてみよう!!・・・と、想いも新たに・・・また我慢比べに戻るわけです。


2004年8月某日打合せ
次の番組の打合せで忙しくなってきました。
この打合せっていうのをたくさんたくさん重ねるんですが、なんでそんなにたくさんやるのか?っていうと、これが大事なことだからなんですね。
VTRの番組にしても生放送にしても、“映す”っていう行為がなけりゃ成り立たないですし、ここがクライマックスだったりするんです。本番っていうやつですね。で、そこが盛り上がるかどうかは、どんな打合せをしたかによってくるんですね。
不思議なことに打合せが盛り上がると本番がいまいちだったりすることもあるし、打合せがあんまりしっくりいかなかったのに、本番がすごく盛り上がったりすることもあるんです。こういう生モノというか、水モノみたいなところが面白さだったりもするんですけどね。
で、打合せが良ければいい番組か?というと、そうとも言い切れないところなんですが、いい番組はいい打合せをしているんだということは言えますね。


2004年8月某日 生もの
どんな番組が好きか?と、よく考えるんですが、視るなら何でも。やるなら“生モノ”ってとこでしょうかねぇ。
生の刺激を一度味わっちゃうとなかなかこれが忘れられなくなるんですね。もちろん、VTRでしっかりと構成して作るのも好きなんですけどね。
VTR構成と生の違いの一つに、スタッフの数の違いはあると思うんですよね。一概には言えないんですけどね。VTRで作る場合、少ないスタッフでコツコツと作り上げていく感じがあるんです。で、生の場合はそうはいきません。いろんな人が関わって、みんなの力をその一点、その時間に集中して勢いつけて一気にいっちゃう。みたいな感じがあるんですね。
やっぱりこれは好き好きなんでしょうけど、それぞれにそれぞれの良さがあるってことなんですね。
得意不得意もあるでしょうしね。うちの場合、わりとやっぱり、生放送が多いような気がします。
「趣味の園芸」は生じゃないですが、あれもスタジオで生放送のように収録して、後で編集しないで放送してるんですよ。これはすごく合理的でいい方法だと思いますね。だからなんとなく生っぽい、いい緊張感が見られます。是非、一度ご覧になってみてください。
好きこそものの上手なれ。ということで、やっぱり好きなことをやる時が一番、力を発揮できるってことなんじゃないでしょうか?


2004年8月某日 価値観
普段よく視る番組というと、ダウンタウンの番組、特に好きなのは「WORLD DOWN TOWN」。あれは秀逸だと思うなぁ。あと、ビートたけしさんの番組、今だと「北野タレント名鑑」は面白い。業界の常識を破った感がありますね。
この二組に共通しているのは、番組の中にある程度の価値観を持っていて、それを見せているところかな?つまり、芸があるってことです。後々、改めて視ても面白いってことです。「ごっつええ感じ」のDVDが今さらながらもの凄く売れてるってのも、その辺に理由があるんじゃないでしょうか?
そういうことでは、僕なんか落語も大好きですね。ストーリーの構成がしっかりしているんですよね。
どっちかっていうと、僕はバラエティ畑の出身ではないんですが、番組はもうバラエティが大好きです。「ひょうきん族」は僕の人生を変えたと言っていいでしょう。
ま、それに限らず、テレビが大好きなんですよね。テレビの仕事をしているんだからテレビが大好きで当然だと思うんですが、これが案外テレビを好きではないスタッフも多いんですよ。僕なんか、テレビがあまり好きではないのならこの仕事しなけりゃいいのに、と思ったりするんですが、意外と多いです。
どういう類の番組が好きだとか、色々あるでしょうけど基本は好きだってことが大事じゃないでしょうか。それと、やっぱり表現者として、言いたいことを分かり易く言うってことですね。表現しない番組は最低ですよ。でも、そんな番組ばっかりです。まあ、そんなスタッフばっかりってことなんでしょうけどね。


2004年8月某日 良心
なんだか高熱と親不知痛で意識が朦朧とする中で、それでもやっぱりテレビを視ない訳には行かず、スイッチを入れてもオリンピックしか見るものがない。この生中継ってのはそれはそれでテレビの大きな魅力の一つなんだけど。そうだ、テレビの要素として最も大きいのが生放送だと思ってるんだけどいかがでしょうか?
で、夜中に生放送ではないけれど、中国の映画「山の郵便配達」をやっていたので途中から視ました。実はこれを観たのは3度目なんですが、中国の底力みたいなものを感じますね。ああいうストレートなものはいいですね。テーマがはっきりしていてわかりやすい。
近頃の番組はなんだかその場しのぎなモノが多いような気がします。その時だけ良ければいいというようなやつね。作ってる人たちに良心はないのか?と言いたくなります。確かにそんな甘いことは言ってられない業界なんですけど…商売ですからね。
それにしても親不知、そろそろ抜かないとなぁ。


2004年8月某日 アメリカから
アメリカから帰ってきました サンフランシスコは 永住したいくらい自分にはあっているような…


2004年8月某日 わらべうた子育て
この前、松本清張の「Dの複合」を読み終えて、そこで軸になっている「伝説をめぐる旅」というのが気になっています。
ちょっと地味かなと思いつつ、伝説の土地と食と温泉をからめて構成できないかな、と。持ち込み先はテレ東なのかな、と。
暇をみて参考になりそうな本を探しています。
春先に遠野の民話村で取材したとき、語り部のおばさんから
子育ての昨今について話を聞きました。
昔の子育ては、「伝えたい」という欲求を起こさせる要素が盛り込まれていて、関心を持ちました。


2004年7月某日 イギリスからの生中継を終えて…
てな訳で、といいながら始めました。
先日、イギリスから生中継という、とんでもないプレッシャーの中での仕事を見事(?)にこなして、凱旋帰国と言いたいところですが、こういうハイテンションな仕事を終えると、だいたいその後にそれこそ見事なローテンションがやってくる訳で。そんなことじゃいけないと思いながら無意義な夏休みを送っております。
日記の最初がこういう話題だと幸先悪いんですが、徐々にいいことを書いていきますんでよろしくお願いします。
そういえば、この「よろしくお願いします。」って最近よく使うなぁ。他の業界でもそうなのかなぁ。
そんなことはどうでもいいとして。でもまあ、みんなこういうのって、そういうどうでもいいこと書いてるんでしょ?どーせそんなことですよ。これを見てるあなたたちもどーせ閑人なんですから。などとカンニングの漫才みたいにネガティブなことを言ってみたりして。
こういうどうでもいいことも書いていきますんで“よろしくお願いします。”


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